【201XX年12月のとある日の話。】

ねえねえ犬飼くん知ってる? 聖Smiley学園にある伝説の木の話

クリスマス間近の聖Smiley学園生徒会室。
ミルクティで暖をとっていた犬飼一は文化部部長の天知に声をかけられた。

伝説の木?あの裏庭にある大きな一本の木のことだよね
あーあの大きな木が伝説の木なのか
突然どうしたの?要ちゃんどっちかっていうと幽霊も伝説も信じないタイプだよね?
魔法は信じるけどね
ていうか魔法は信じるっていうか…
なになに、なんの話~?

生徒会室の扉が元気な音をたてて開き、市形が乱入してきた。
文字通り乱入である。
スキップしながら上半身で怪しげな踊りを踊り、生徒会室に乱入してきた。

…市形くん、ずいぶんとご機嫌だ…ね…?
啓太、なにか旨いものでも食べたのか?

若干引き気味にそれでも天知と犬飼は声をかける。

いやさー!ほら、もう12月じゃん? クリスマスじゃん? サンタさんにプレゼントリクエストのお手紙書いたら、昨日お返事がきたんだよねー。もう楽しみで楽しみで~
(そういえば市形くんってサンタさんまだ信じてるんだっけ?)
(そういえばそうだったね。いろんな意味で残念だよね)
またまた~二人で何こそこそ話してるんだよ
あ、いやほら伝説の木?あれの話をしてたんだよ
伝説の木~?あのうさん臭いやつかー。伝説とか信じてるの?要ちゃんかわいいなあ
…サンタ信じてるお前に言われたくない
でも、なんで今になって伝説の木の話?

犬飼がそもそもな疑問を天知に投げると

なんかここの伝説の木ってクリスマスにまつわる話があるらしいんだよ
へー
だからもうすぐだし、どうせならどんな伝説か調べてみるのもアリかなって
じゃあもうすぐ会議だし、会長にきいてみっか
そうだね

市形の提案に犬飼と天知も頷いて珍しく会議の準備をはじめるのだった。

************

…伝説の木?
あれ?会長しらない?
「いや、確かに裏庭に一本大きな木があって学校でも大事にされているって聞いたが…」
伝説の木なんてロマンチックだねー。ねーななちゃんー?
「にゃー」
今学期我が生徒会は活躍らしい活躍してなかったから、学校にまつわるこんな活躍もいいんじゃないかなーとおもって
「活躍してないことはないと思うぞ。毎年のように学園祭も体育祭もしてるだろう?」
でも魔法を使って悪を倒したりしてないし
マントで華麗に活躍もしてない
そういえば羊のメカも稼働してないな
会長だってホストになってお金も稼いでないし
「いや、いつもやってたらあれは問題だからね…」
でも、不思議な世界にいったり、許嫁が急にできたりもしてないよね
「…生徒会の活躍とは…いったい…」

御影会長が胃を抑え気味に机に突っ伏す。

これは久しぶりに我が発明機器の出番かな?
羊川くん

そんな会長とは対照的に生き生きとし出したのは羊川。
ぱちーん、と指を鳴らすと、生徒会の壁の一部が自動で動き、なにやら怪しげな機械が仰々しく陳列する棚が出現する。

「羊川…いつの間に…いや、もう突っ込むのはやめておこう…。この機械は、なんだ?」

胃を押さえながら御影会長が質問すると

テッテレー!これは『レジェンダリーチェック装置』
れじぇんだりぃ(市形)
ちぇっく(犬飼)
そうち?(陸奥)
にゃーん?(ななちゃん)
そう、これは分子構造におけるスケーリング理論の応用なんだけど、「伝説」みたいな未知の存在を既存の数式に当てはめて逆説的に計算することによって不可解な現象を次元解析を用いて解く機会なんだ
「なるほど、わからん(犬飼&市形&陸奥)」

3人がさっぱりわからん、と首をひねっているところで瀬戸が羊川に

つまり…どういうこと?簡単にいうと?
この装置を設置して「伝説」と言われている対象物を録画&観察すると、不思議な現象が録画されて見えるようになる機械だよ。つまり超常現象専用のビデオカメラ

〇ONYのビデオカメラのようなそれをもって羊川がにっこりと笑うのだった

************

じゃあここに設置しようか
こんな感じ?
あー陸奥もうちょい右、右
こう?
あー一ミリ左
一ミリ!?

裏庭に行って機械を伝説の木の前に設置をすると、時計塔の鐘が4回鳴った。

「もうこんな時間か」
日が落ちるの短くなったよね

時計塔を見上げながら、みんなでだんだんと青に染まっていく空を見ていると…

天知が木を指さして声を上げた。

木が金色に光ってる…
木が、っていうより葉が金色に光っているみたいだな

天知と羊川が木に近づこうとするのを御影が制す。

「待て!鐘の音が鳴ったということはひょっとしたらまたどこかに飛ばされてしまうかもしれないぞ」
さすがにあんなことはそうそうないよ
そうだよ、会長、心配しすぎだって。あとはラノベの読みすぎ
「いや、ラノベの読みすぎはお前だろう犬飼」
でもこういうフラグって回収するためにあるよねーってことで天知ー!羊川ー!木の近くにもっと寄っていみようぜー

見えない尻尾をブンブンと振り回し、先に歩いている天知と羊川に追いついて追い越す。

「お前らもっと慎重にだな…」
まあまあ、会長、なんだかロマンチックで綺麗だし、行ってみようよ
リア充っぽい発言だけど同意ー!俺も近くで見よーっと
ななちゃん、一緒にいってみようか?

陸奥、市形、瀬戸も金色に光っている木に興味深々の様子で近寄っていく。

「ショウガナイな…」

ため息をつくと御影もみんなの後を追うのだった。

 

【伝説の木の伝説2】